空白

そこに描き出すしかないのだもの。

五つの音の葉で表すんだ

何が悲しいのかも

わからないままに

涙が出てきて

仕方がないから

なすがままの

電車の中です

泣きたいときほど

泣けないくせに

いったいなんなんだ

バレエを観てきました

吹奏楽をやめても

音楽鑑賞は続けたい

そのかぎり

ファゴットの音色からは

逃れられない

それを聴く度

あたしは思い出すんだろう

何度でも

それはとても

美しいことのような

疚しいことのような

感じがする

まただ、

認められないでいる

どれも中途半端

周囲がそう見ないでくれるのだけが

救いかな

何か一つに打ち込むことが

とても苦手なのです

飽き性なので

ひとところに

留まれない

だから研究者にはなれそうもない

何にしても(人間関係にしても)

一定以上の距離を保っておかないと

息苦しく

なってしまう

そのくせどれも

切り捨てられない

いつになれば

選ぶ勇気を

持てるんだろう

一生持てない気もする

あたしが

あたしである以上

どうしようもないことなのかも

知れない

涙は案外あっさりと

渇いていった