空白

そこに描き出すしかないのだもの。

We're All Alone

「やりたい」と「できる」はちがう

「いきたい」と「いける」はちがう

そう、わかってる

モラトリアムはもう終わり

義務教育ではなくなるの

問題は、あたしの頑張りの問題ではないということ

頑張ってどうにかなることなら

頑張ってどうにかしたい

こんな卑しい思いをするくらいなら

夢など見ないほうがよい

大好きな人たちを

恨めしく思うなんて、そして泣くだなんて

自分で自分が許せないよ

あの人たちだって一生懸命なのだ、いっぱいいっぱいなのだ

すべて知ってる

その上でまだあたしは夢を見る

金銭的な話なんかだいきらい

諦められない自分もきらい

入試自体に落ちる、気はしないのだが

620人の中の、20人に入れなかったあたしというのは、容易に想像できてしまって

それが意味することを考えると

何も言わず、胸の奥深く

鍵を掛けるしか

たとえ、夢がそこにあっても

手を伸ばすことも、口にすることさえも、許されない状況だって、あるのだ

ほんとは、東京の私立に行きたいの、だなんて言い出せるわけないだろう

せんせいは「お金のことはどうにでもなる」という

そんなの信じられるわけない

お金を出すのは彼ではないし、当然あたしでもない

そう、あたしの、両親、なのだ

最近どうにもなみだがこぼれて困る

理不尽さに、対して

こぼしてみたところで、消えたりなどはしないのに

眠り姫を起こすほうが、よほど容易