僕が僕であるために
経験なんてものは
所詮、感性を鈍らせるものであるし
本当のところの明日なんて、誰にもわからないのだから
考えたところで、むだなのだろうという
見え透いていた結論
年齢を重ねるだけ、わかるようになって、
臆病虫が顔を出す
幼い頃の無尽蔵の勇気は、すっかり鳴りを潜めて
他人の顔色を窺うことに時間を費やすようになる
きれいごとはつまり、自己防衛の手段に過ぎないのだ
涙は見せないという誓いは、あたしのために立てた
いつからか姉になりいつからか先輩になりいつから大人になるのだろう、あたしのために
中途半端な、無責任な優しさを拒絶出来なかった
受け入れた
愛して、しまった
責任の所在を問うことは意味をなさない
漠然と存在する事実が真実
そこになみだはいらないでしょう、あたしはおとなよ
むりにおとなになんてならなくていい、そのことばのもつあまさを、いったあなたはきづいていないのね