ささやかな喜びをつぶれるほど抱きしめて
すり減っている。
約3年ぶりに、弟が家出してしまった。やっとここまで来たのに。
家に帰らなくなって、3日目。原因はお金の管理のできなさ。
くやしいし、情けないし。
彼の人生は彼にしか操れないのだ。
逃げたからといって、どうなるものでもない。
対峙することのみが正しいとは思わないけれど、向き合うことでしか解決できないたぐいのこともある。
かなしいなあ。元気に、帰ってきて、働いてくれたら、それでいいのだけど。
福山の上司との関係は結局、どこにも行けないところに、行ってしまった。彼が、勝手に。
そこにわたしの感情は、意志は、介在せず、できず、残ったのは、強い徒労感だけだった。
5月に、岡山に返された。それを機に、恋人といっしょに、暮らし始めた。
5月、熊本出張、6月、参院選、7月、高校総体に伴う行啓同行。
期待されているといえば言葉はいいが、扱いが雑だなあ、とおもう。いいように使われている。
できない、と思われたら、託されないから。ポジティブにとらえるしかない。
ただ、ずっと支えてくれていたデスクと、年次の近い先輩がいなくなってしまう。
デスクはほんとうに有能な方で、たった4ヵ月しかご一緒できなかったことがとてもかなしい。
有能であるがゆえの昇進に伴う異動であると理解してはいても、次にくる人が一時一緒に働いていたことがあって、おおもう…ってかんじのひとなので、どうしようもない。
彼のかわりは誰にも出来ない。
年次の近い先輩の補充がされなかったので、これまで彼が持っていた仕事はほぼ全部降ってくるらしい。
肩の力を抜きながら、ほどほどに、頑張れたらいい。それがいちばん、むずかしい。
恋人には、どうしようもないくらいに甘やかされている。
愛されて、いるのだとおもう。
もうすぐ、4年。彼の穏やかさに救われる部分は、とても大きい。
さきのこと、を考えれば胸がきゅう、っとなってしまうけれど。
行き止まりにぶつからず、細い道でも、通り抜けられる道が、在り続ければいいとおもう。
だめだな〜、心が元気がないから、言葉がしんでいる。