空白

そこに描き出すしかないのだもの。

涙の理由を知ってるか

うつくしい季節。
読んで書いて働く、うつくしい日々。
金木犀が烟るように香る。
風がやさしい。空が青い。

なにが許せなかっただとか受け入れられなかっただとかを言語化することは決してできないことではないのだけれど、そうして研ぎ澄ました言葉の獣が牙を剥いておそろしく傷つけてしまうのがこわくてこわくて、結果最低のことをしてしまった。
今回ばかりは中途半端な想像力が邪魔をしている。
もっと鈍感になれればよかった。
もっと繊細になれればよかった。
しかしわたしはこの身体でこの精神で生きてゆくしかできないのだ。
開き直りではなく、厳然たる事実として。

日々は連綿と続いてゆく。
世界は今日も終わらない。
かけがえのない存在なんていない。
代替可能な世界で生きている。
そのことに対するいっそときめきにも似た安心感。
じぶんがちっぽけで無力な存在だと思えば思うほど、深く深く息が吸える。
なんでなんだろう。

音楽のある生活を送っている。
相変わらず音楽と活字はわたしの精神安定剤だ。
へんなお薬に依存してしまうよりずっといい。
先月末は県内でいちばん上手な学校の吹奏楽の定期演奏会、今月末は葉加瀬太郎、12月の頭にはアジカン
なぜかいま住んでいるところより都会(であるはずのところ)に住んでいた3年間よりよっぽど満たされている。
自己充足がうますぎるのはある意味わたしの欠点なのではないかと最近すこし思っている。

真っ白だったワードに文字を綴る。
今日も市内の喫茶店でぽちぽちと進める。
昨日はおもいっきり怠惰に身を委ねてしまったので。
中高の時から変わらず、家で勉強できないし、図書館でもできない。
研究室が近ければよかったのだけど、それはまあ、しょうがないね。
人が見ててくれないとだめなんだろう。
自分に厳しいようでいて、とても甘い。
「説明」と「解釈」と「理解」の間に立っている。