空白

そこに描き出すしかないのだもの。

やさしく吹く 愛もとおりすぎてった

部屋の整理(掃除じゃなくて、整理)を、していたら、忘れるはずのなかった時間忘れたくなかったはずの記憶、が、どばっ、と、押し寄せてきた

ちょっと、泣きそう

あのときのあたしはもうどこにもいなくて、あのとき誓ったはずのことばも絡めたはずの小指の熱もあまりに遠くなっていた、あたしのものじゃないみたいに

そのことにいまのいままできづけなかった

たった1年、風化してしまったのは思い出?いいえ、あたしのこころ

剥き出しにされて吹き晒されて

あたしがしなければならないのは、してやるって涙まで流したのは、ああ、

いちばんなりたくなかったはずの大人になっているみたい

せんせいに電話したい、今すぐ聞いてほしい、ちゃんと話せる自信はどこにもないけれど

溢れ返っている、苦しい、溺れてしまう

音が、匂いが、空気そのものが蘇ってくる

あたしの一部を構成する彼らを忘却の彼方へ追いやってしまっていことを、誰かに謝りたい

贖罪、を求めてるのかもしれない

そんな権利もないのに

平和を叫ぶ前に戦禍の恐怖を見つめろ

知らなきゃいけないのは1と0の間だ

あの時間を閉じ込めて奥に奥に押しやれるような自分が憎い

自分で手一杯なのはいつものことだけど、でも、ひどい